★★★★
人間に憎しみという感情が存在しなければ、どれだけ生きやすくなるだろう。
主人公は小学校教諭の柳川和奈。
二年生のクラス担任を受け持っている。
ある日の授業参観で目にした母親はかつて自分達家族から父親を奪った女性だった。
嫌な記憶に蓋をするように生きて来た和奈にとって最悪の偶然。
再び蘇る憎しみの感情。
法律で裁く事が出来ない行為だからこそ、どこにも持って行き場のない和奈のやり切れない思いに共感する。
だが憎悪を復讐に変えた所で、復讐も憎しみも連鎖し続けるだけだ。
ラスト二頁で明かされるタイトルの意味に胸が締め付けられる。
はじめまして。
255文字で本の感想を書いています。
選書の参考になれば嬉しいです。
☆受賞歴☆
読書メーター×ダ・ヴィンチ 第5回 ベストレビュアー賞受賞 「僕が僕をやめる日」
読書メーター×ダ・ヴィンチ 第6回 優秀レビュアー賞受賞 「かがみの孤城」
読書メーター×ダ・ヴィンチ 第7回 ベストレビュアー賞受賞 「逆ソクラテス」
ブクログ BEST USER AWARD 2023 Silver賞