★★★★
人間に憎しみという感情が存在しなければ、どれだけ生きやすくなるだろう。
主人公は小学校教諭の柳川和奈。
二年生のクラス担任を受け持っている。
ある日の授業参観で目にした母親はかつて自分達家族から父親を奪った女性だった。
嫌な記憶に蓋をするように生きて来た和奈にとって最悪の偶然。
再び蘇る憎しみの感情。
法律で裁く事が出来ない行為だからこそ、どこにも持って行き場のない和奈のやり切れない思いに共感する。
だが憎悪を復讐に変えた所で、復讐も憎しみも連鎖し続けるだけだ。
ラスト二頁で明かされるタイトルの意味に胸が締め付けられる。

幼少期から本が大好きなよつばと申します。私と同じく本が好きな方々の参考になれば幸いです。SNSもフォローしてくださると嬉しいです。