★★★★
終始、陰鬱な空気感が漂う作品だった。
物語の舞台は多摩川市。
児童相談所に勤務する松本悠一が主人公。
児童虐待がテーマかと読み進めて行くと、それだけに留まらず、人種差別・貧困・性暴力・ネグレクト・不妊治療と多種多様な問題が盛り込まれていた。
複数のエピソードが並行して進み、途中で展開が読めなくなった所で、伏線ともなる年齢が明記され結末に向けてそれまでの全ての伏線が一気に回収されて行った。
小さな子供達にとって『負の連鎖』なんて関係ない。
合田課長の『子供は死ぬ為に生まれて来たんじゃない』の言葉に明日への希望を感じた。

幼少期から本が大好きな四つ葉と申します。私と同じく本が好きな方々の参考になれば幸いです。SNSもフォローしてくださると嬉しいです。