わたしは栞を挟まない|よつばの読書ブログ

生皮/井上 荒野【レビュー】

★★★★★

思わず目を背けたくなるような装丁。
だがこの物語から決して目を背けてはいけない。

セクハラで告発された小説講座の人気講師を軸に性暴力被害者の実態が生々しく描かれる。

権力や地位をかさに、女性を貶める卑劣な行為。
小説世界を深める為?
そんな馬鹿げた理由が通るわけがない。

勇気を振り絞り声を上げた被害者に襲い掛かるSNSの名も知らぬ者達からの攻撃。
二重三重にと生皮を剝がされていく彼女達の痛みに声を失う。

身体と心に刻まれた傷と屈辱は永遠に消えない事を加害者は知るべきだ。

人として大切な事が欠如している輩に怒りが収まらない。




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