★★★★
『いまは、空しか見えない』で嵌った白尾悠さん。
本作も刺さる。
中高年限定の劇団をモチーフに、其々の順風満帆とは言えない人生を丁寧に掬い上げた作品。
「この世界から消えるべき理由」を数える女子中学生、突然解雇を言い渡された40代独身女性、傲慢を絵に描いた様な中高年男性など登場人物は皆、私達の身近にいそうな人達。
善良な人もいれば悪意しか感じない人もいる。
本文中の「歳月が降り積もっても、人そのものはたいして変わらない」の言葉に共感する。
登場人物に自分を重ね、過去の出来事を反芻し想いを巡らせながら心が浄化されていく。

幼少期から本が大好きなよつばと申します。私と同じく本が好きな方々の参考になれば幸いです。SNSもフォローしてくださると嬉しいです。