わたしは栞を挟まない|よつばの読書ブログ

風の港/村山 早紀【レビュー】

★★★★

「旅立ちの白い翼」「それぞれの空」「夜間飛行」「花を撒く魔女」「空港にて」
空港を舞台にした5話収録の連作短編集。

どの物語も心の中に暖かでやんわりとした風が吹き込んで来るような読み心地。

志半ばで故郷へ帰る決意をした男性や空港内の小さな書店で働く女性、寂しさを抱える女優と学生時代の傷がしこりとなっている女性、娘の写真を携えながら海外を巡る奇術師の老婆。

空港での奇跡の様な出会いで少しだけ運命が変化する様がドラマティックだ。

人生は順風満帆には行かないけれど明日への希望をほんのり感じさせてくれる優しさに満ちた作品。




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