★★★★★
今まで命の誕生は奇跡であり、喜ばしい事だと信じきっていた。
AID(精子提供)によって生まれ、自分のルーツが解らない人達の苦しみなど知るよしもなかった。
543ページの長編だが、文中からは著者のメッセージが感じとられ、一字一句、嚙みしめながらの読書となった。
精子提供を望み、妊娠・出産を目指す夏子と、AIDで暴力的に誕生させられたと話す善百合子を対比する事で『生まれること』の意味や意義を考えさせられる。
そこには自分の想像を遥かに超える苦悩が存在していた。
それでも生まれて良かったと思える時が来る事を心から願う。
傑作。
はじめまして。
255文字で本の感想を書いています。
選書の参考になれば嬉しいです。
☆受賞歴☆
読書メーター×ダ・ヴィンチ 第5回 ベストレビュアー賞受賞 「僕が僕をやめる日」
応募数92件 HN・よつば
松村 涼哉『僕が僕をやめる日』 第5回 レビュアー大賞 2020年 課題図書 – 読書メーター (bookmeter.com)
読書メーター×ダ・ヴィンチ 第6回 優秀レビュアー賞受賞 「かがみの孤城」
応募数599件 HN・よつば
辻村 深月『かがみの孤城』 第6回レビュアー大賞 2021年 課題図書 – 読書メーター (bookmeter.com)
読書メーター×ダ・ヴィンチ 第7回 ベストレビュアー賞受賞 「逆ソクラテス」
応募数748件 HN・よつば
伊坂 幸太郎『逆ソクラテス』 第7回レビュアー大賞 2023年 課題図書 – 読書メーター (bookmeter.com)
ブクログ BEST USER AWARD 2023 Silver賞 HN・よつば