★★★★
大好きで全作読んでいる唯川恵さんの長編小説です。
今回は母と娘の在り方がテーマとなっています。
千遥(ちはる)と亜沙子(あさこ)、この二人の母娘関係が交互に描かれる展開です。
千遥は幼い頃から母の精神的虐待に痛めつけられた過去を持ち、郷里から離れ愛人の援助で豪華なマンションに暮らす32才
かたや亜沙子は父を亡くしてから母と二人で一見仲良く暮らしている風に見える27才
この二人が「結婚」と言う岐路に立った時、母と娘の関係性に変化が生じて来ます。
母が見つけて来た亜沙子の結婚相手は、蓋を開ければとんでもない性癖の持ち主でその点も不気味でしたが、ブログに自身の理想を事実の様に書き連ねる亜沙子の母にも更に、不気味な物を感じてしまいました。
それぞれの母と娘の関係が終わりに近づくに連れハッピーエンドになるのかと思いきや両方の母娘共にまるでホラーを思わせる様な展開で、最後まで飽きずに夢中に読み進める事が出来ました。
この二人の立場までは行かなくても、どこか近い部分を感じる娘さんも多いのではないかと思わせるリアリティーも感じる1冊でした。
やはり唯川さんの作品は面白いです。

幼少期から本が大好きな四つ葉と申します。私と同じく本が好きな方々の参考になれば幸いです。SNSもフォローしてくださると嬉しいです。