わたしは栞を挟まない|よつばの読書ブログ

いけないII/道尾 秀介【レビュー】

★★★★

「明神の滝に祈ってはいけない」「首なし男を助けてはいけない」
「その映像を調べてはいけない」「祈りの声を繫いではいけない」
4話収録の連作短編集。

箕氷市を舞台に、いけない人々が起こした事件はどれも悍ましい。
行間から漂う陰鬱な空気に恐怖は加速する。

その場所に、その人に近づいてはいけないと、私の脳内で危険信号が点滅する中、登場人物達は吸い寄せられるようにいけない方向へと向かっていく。

其々の物語の結末に慄いていれば、最終話で待ち構える鮮やかなどんでん返しに再び打ちのめされる事になる。

終章の反転は見事としか言えない。




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