★★★
小説家で詩人の多和田葉子さんが書き下ろした物語に版画家、溝上幾久子さんの絵をコラボした作品。
タイトルの「オオカミ県」の文字も複数匹のオオカミで形作られている。
物語は架空の県・オオカミ県で暮らす「俺」のモノローグ形式で展開して行く。
インターネットの書き込みを見て、東京に住む白兎の存在が気になり出す俺。
東京へ出稼ぎへ行ったまま連絡が途絶えたオヤジを探し出すという名目でオオカミ県を出て東京へ。
抽象的な文章だが社会的弱者をテーマにした作品に、細密かつダイナミックな銅版画絵がマッチしている。
迫力ある絵は見応え十分。

幼少期から本が大好きなよつばと申します。私と同じく本が好きな方々の参考になれば幸いです。SNSもフォローしてくださると嬉しいです。