★★★★
テレビドラマ『きのう何食べた?』の監督を務めた野尻克己さんの小説デビュー作。
実の兄を自死で亡くした著者の実体験を元に描かれている。
三年間、引き籠っていた鈴木家の長男・浩一がある日突然自室で自殺する。
鈴木家の父・幸男、母・悠子、妹・富美、物語は3人の視点で交互に語られる。
非常にショッキングなテーマでありながら、所々に「嘘」を交えユーモアさえ感じられる。
残された遺族の「何故?」考えても答えなど出ない空しさ。
家族の葛藤と自罰感情が伝わる。
生きる事は簡単ではない。
それでも死を選ばずに生きていて欲しいと心から願う。
※298頁6行目 ×どこにるの ○どこにいるの

幼少期から本が大好きなよつばと申します。私と同じく本が好きな方々の参考になれば幸いです。SNSもフォローしてくださると嬉しいです。