★★★★
テレビドラマ『きのう何食べた?』の監督を務めた野尻克己さんの小説デビュー作。
実の兄を自死で亡くした著者の実体験を元に描かれている。
三年間、引き籠っていた鈴木家の長男・浩一がある日突然自室で自殺する。
鈴木家の父・幸男、母・悠子、妹・富美、物語は3人の視点で交互に語られる。
非常にショッキングなテーマでありながら、所々に「嘘」を交えユーモアさえ感じられる。
残された遺族の「何故?」考えても答えなど出ない空しさ。
家族の葛藤と自罰感情が伝わる。
生きる事は簡単ではない。
それでも死を選ばずに生きていて欲しいと心から願う。
※298頁6行目 ×どこにるの ○どこにいるの
はじめまして。
255文字で本の感想を書いています。
選書の参考になれば嬉しいです。
☆受賞歴☆
読書メーター×ダ・ヴィンチ 第5回 ベストレビュアー賞受賞 「僕が僕をやめる日」
読書メーター×ダ・ヴィンチ 第6回 優秀レビュアー賞受賞 「かがみの孤城」
読書メーター×ダ・ヴィンチ 第7回 ベストレビュアー賞受賞 「逆ソクラテス」
ブクログ BEST USER AWARD 2023 Silver賞