わたしは栞を挟まない|よつばの読書ブログ

家族じまい/桜木 紫乃【レビュー】

★★★

「智代」「陽紅」「乃理」「紀和」「登美子」
5人の女性の視点で描かれた連作短編集。

夫婦とは、家族とはなんて厄介な物なんだろうと思わされる。

認知症を患った母・サトミを取り巻く夫と娘達。
サトミを思う気持ちはあれど手をあげてしまう夫や、どこか冷めて割り切った対応をする姉、自身が内に秘めていた不満を親孝行という形で消化しようとする妹。

孫を切望する高齢の親を安心させたいと言う理由だけで性的不能でありながら20代の陽紅と結婚する50代の男性。

夫婦其々の葛藤の中に打算が見え隠れする。

家族だからこその悩ましさを切に感じた。




  • 人気のレビュー
  • 関連するレビュー

気軽にコメントどうぞ

*
*
* (公開されません)