★★★
「霧」「塵」「針」「縁」「終」
5話収録の連作短編集。
それぞれの短編が『縁』という名の元にリンクし合っている。
人が普段、心の中に隠していて、表には出し辛い負の感情が本作でも丁寧に救い上げられていた。
『袖振り合うも多生の縁』
生活していれば人は人と嫌でも繋がりを持つ。
その事で生まれる感情には、良い事もあれば、ちょっとした誤解や、価値観の相違で軋轢が生まれ、人間関係にヒビが入る事もある。
人を攻撃したり傷付けたり、縁によって道を誤る事もあるけれど縁によって救われる事も。
改めて人との繋がりを大切にしたいと思える1冊。

幼少期から本が大好きなよつばと申します。私と同じく本が好きな方々の参考になれば幸いです。SNSもフォローしてくださると嬉しいです。