★★★★
一木けいさん、初読み。
『女による女のためのR-18文学賞』出身の作家さんで、このタイトル。
勝手に大人の恋愛小説をイメージしていたが、心に闇を抱えた登場人物達が織りなす青春小説だった。
主人公は高校2年生の橙子。
クラスで浮いた存在だった橙子が合唱コンクールのソロパートを任される。
橙子が発する言葉や奇妙な行動に首を傾げていると徐々に明らかになる真実と、その背景に胸が苦しくなる。
そして橙子の母である芳子の裏の顔には人の心の奥底に潜む狂気を感じ背筋が凍る。
愛に餓え、愛を求める人達の不器用さが、痛い程に胸に突き刺さる。

幼少期から本が大好きなよつばと申します。私と同じく本が好きな方々の参考になれば幸いです。SNSもフォローしてくださると嬉しいです。