わたしは栞を挟まない|よつばの読書ブログ

つみびと/山田 詠美【レビュー】

★★★★★

この怒りと悲しみを一体どこにぶつけたら良いのか、読了後もやるせなさが尾を引く。

3歳と4歳の幼い子供達

水も食べ物もない鍵を掛けられた灼熱のリビングで、いつ帰るとも分からない母をひたすら慕い、待ち続けて死んでいったさまを想像するとあまりにも不憫で堪らない気持ちになる。

母親である蓮音の罪はもちろん重い。

けれど子供達を置いて逃げた蓮音の母、琴音
性的虐待を繰り返す継父
実家に入りびたりのマザコン夫、音吉など責任感の欠如した大人達の罪も重い。

三世代に渡る負の連鎖が描かれているが、幼子にはそんな事一切関係ないんだ。




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