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この怒りと悲しみを一体どこにぶつけたら良いのか、読了後もやるせなさが尾を引く。
3歳と4歳の幼い子供達
水も食べ物もない鍵を掛けられた灼熱のリビングで、いつ帰るとも分からない母をひたすら慕い、待ち続けて死んでいったさまを想像するとあまりにも不憫で堪らない気持ちになる。
母親である蓮音の罪はもちろん重い。
けれど子供達を置いて逃げた蓮音の母、琴音
性的虐待を繰り返す継父
実家に入りびたりのマザコン夫、音吉など責任感の欠如した大人達の罪も重い。
三世代に渡る負の連鎖が描かれているが、幼子にはそんな事一切関係ないんだ。

はじめまして。
255文字で本の感想を書いています。
選書の参考になれば嬉しいです。
☆受賞歴☆
読書メーター×ダ・ヴィンチ 第5回 ベストレビュアー賞受賞 「僕が僕をやめる日」
読書メーター×ダ・ヴィンチ 第6回 優秀レビュアー賞受賞 「かがみの孤城」
読書メーター×ダ・ヴィンチ 第7回 ベストレビュアー賞受賞 「逆ソクラテス」