★★★★
初読みの作家さん。
がんを患った主婦、69歳の有村仁子と仁子を支える周りの家族達が「その日」を迎えるまでの物語。
自由奔放でスピリチュアルに傾倒する仁子は、標準治療を「つまらないから」とやめてしまう。
家族は、彼女らしく最後のときを過ごせるよう奮闘するが。
仁子は中々強烈なキャラクターではあるけれど、死が身近に迫った家族を持つ夫や子供達の心情はとてもリアルに描かれていた。
自分中心になりやすい夫、息子、嫁、二人の娘達、それぞれの揺れ動く心理描写が丁寧で多々共感出来た。
そして読みながら自分の最後の時に想いを馳せた作品。

幼少期から本が大好きなよつばと申します。私と同じく本が好きな方々の参考になれば幸いです。SNSもフォローしてくださると嬉しいです。