★★★
欠かさず読んでいる永井するみさんの長編小説です。
優しい夫、愛しい娘と一見幸せに暮らしていた柴田澪だったけれど、母を殺め憎み続けて来た父と偶然出会ってしまう。
家族に知られない様に末期の癌で余命数ヶ月の父と、彷徨う生活が始まる。
タイトルの「逃げる」は今の家族からなのか、忌まわしい過去からなのか、父からなのか、はたまた自分自身からの逃亡なのか読み進めて行くとその結論が見えて来ます。
テンポの良い読みやすい文章で一気に読めました。
ラストに掛けて判る「本当の真実」は予想通りでしたが、そこに辿り着くまでの人物描写も丁寧で脳内映像でくっきりと描く事が出来ました。
しっとりと味わい深い作品です。

はじめまして。
255文字で本の感想を書いています。
選書の参考になれば嬉しいです。
☆受賞歴☆
読書メーター×ダ・ヴィンチ 第5回 ベストレビュアー賞受賞 「僕が僕をやめる日」
応募数92件 HN・よつば
松村 涼哉『僕が僕をやめる日』 第5回 レビュアー大賞 2020年 課題図書 – 読書メーター (bookmeter.com)
読書メーター×ダ・ヴィンチ 第6回 優秀レビュアー賞受賞 「かがみの孤城」
応募数599件 HN・よつば
辻村 深月『かがみの孤城』 第6回レビュアー大賞 2021年 課題図書 – 読書メーター (bookmeter.com)
読書メーター×ダ・ヴィンチ 第7回 ベストレビュアー賞受賞 「逆ソクラテス」
応募数748件 HN・よつば
伊坂 幸太郎『逆ソクラテス』 第7回レビュアー大賞 2023年 課題図書 – 読書メーター (bookmeter.com)
ブクログ BEST USER AWARD 2023 Silver賞 HN・よつば