★★
帯には「どうせ死ぬなら殺してみませんか?」の文字、タイトルに「交換殺人」とあれば嫌でもスリリングな復讐物語を連想する。
冒頭のパワハラ上司に苦しむ主人公の姿もリアルで掴みはOK。
生きる事に絶望し自殺を決意した男が、朽ち果てた神社の桜の木で目にした白い封筒。
そこから少女との奇妙な往復書簡がスタートするのだが、物語に漂う空気はどんどん軽やかになっていく。
主人公の動機は理解出来ても、少女の殺したい相手が有り得なさ過ぎて拍子抜け。
サスペンスミステリーと言うよりハートフルな青春物語。
読後、180度印象が変化する作品。

幼少期から本が大好きなよつばと申します。私と同じく本が好きな方々の参考になれば幸いです。SNSもフォローしてくださると嬉しいです。