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エピクロスの処方箋/夏川 草介【レビュー】

★★★★

『スピノザの診察室』続編。
本作も随所で涙腺が緩んだ。

主人公は雄町哲郎、39歳、通称マチ先生。
前作ですっかり虜になったマチ先生に再び会う事が出来て嬉しい。

シングルマザーだった妹が亡くなり、一人残された甥の龍之介と暮らすために大学病院を辞め、京都の原田病院で勤務するマチ先生。

医師にとって知識と技術は大切だが、哲学のない医師は危険だと語るマチ先生の考え方に共鳴する。

いくつもの死が描かれているが、作品全体に漂う静謐で穏やかな空気感に心地良ささえ感じられた。

生と死、人生の幸不幸について考えさせられる温かな医療小説。




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