★★★★
桐野夏生は容赦ない。
金に目が眩み人探しの旅に出た主人公。
肌に纏わり付く湿り気のある空気、ドロドロに溶けた赤土、様々な匂いが混合したアジア圏独特の香り。
ねっとりとしたカンボジアの町並に主人公と共に放り込まれ、同じ目的意識を持たされる。
次々と現れる胡散臭い登場人物達。
誰が味方で誰が敵なのか全く判断が付かない。
自堕落な生活を送っていた主人公の浅はかさと、あまりにも無防備な行動にじりじりする。
ポルポト時代の恐怖政治を絡めた事で恐ろしさに拍車が掛かり凄みさえ感じた。
衝撃のラストまで一瞬たりとも気を抜いてはいけない。
はじめまして。
255文字で本の感想を書いています。
選書の参考になれば嬉しいです。
☆受賞歴☆
読書メーター×ダ・ヴィンチ 第5回 ベストレビュアー賞受賞 「僕が僕をやめる日」HN・よつば
松村 涼哉『僕が僕をやめる日』 第5回 レビュアー大賞 2020年 課題図書 – 読書メーター (bookmeter.com)
読書メーター×ダ・ヴィンチ 第6回 優秀レビュアー賞受賞 「かがみの孤城」HN・よつば
辻村 深月『かがみの孤城』 第6回レビュアー大賞 2021年 課題図書 – 読書メーター (bookmeter.com)
読書メーター×ダ・ヴィンチ 第7回 ベストレビュアー賞受賞 「逆ソクラテス」HN・よつば
伊坂 幸太郎『逆ソクラテス』 第7回レビュアー大賞 2023年 課題図書 – 読書メーター (bookmeter.com)
ブクログ BEST USER AWARD 2023 Silver賞 HN・よつば