わたしは栞を挟まない|よつばの読書ブログ

雷神/道尾 秀介【レビュー】

★★★★

読み進むに連れ切なさが募り、それと比例する様に悪行を働いた者達への怒りが増幅していく。

昭和の終わり、古い因習が残る羽田上村で善良な家族を襲った悲劇。
翌年に起きた毒キノコ鍋による毒殺事件。

当然、その時点で二つの事件を関連付け有り勝ちな動機による復讐劇であると察知する。

だがそこに15年前の交通事故が絡む事で物語は複雑さを増す。
一本の脅迫電話がきっかけで新たに始まる30年の時を経た復讐劇。

重なった不幸な偶然、愛する人を守る為の嘘が哀しい。

終盤で全て明かされる真相に胸が締め付けられる。
ラストで待つ一撃も容赦ない。




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