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ブラックウェルに憧れて/南 杏子【レビュー】

★★★★

タイトルの「ブラックウェル」は世界で初めて医師と認められた女性の事。

現役医師である南さんが描く本作はどのエピソードもリアルだ。

解剖学教室の教授、城之内泰子の指導の下、優秀な成績で卒業した、アイ・スペシャリストの仁美、フリーランスの早紀、エスコート・ドクターの涼子、NICUチーフの恵子、5人の女性の医療現場における葛藤と、家庭生活での悩みが苦しい程に胸に迫る。

根強い男尊女卑の慣習、あまりの理不尽さと、人を侮蔑する言葉の数々にハラワタが煮えくり返る。

誠実な者が報われず狡猾な者が生き残るなんてあってはならない。

本作で過酷な医療現場の中、努力を惜しまない方達へと想いが飛び、改めて感謝の念を抱いた。




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