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みちづれの猫/唯川 恵【レビュー】

★★★★

「ミャアの通り道」「運河沿いの使わしめ」「陽だまりの中」

「祭りの夜に」「最期の伝言」「残秋に満ちゆく」「約束の橋」

7話収録の短編集。

大好きな唯川恵さん、本作もしみじみと良かった。

猫がモチーフとなり全作品に登場しているけれど、あくまでも主役は毎日を一生懸命生きている女性達。

様々な葛藤を抱え生活している登場人物達のそばで、静かに寄り添う猫たちの描写に幾度も涙が溢れ、光景が浮かび上がる風景描写と女性達の繊細な心理描写に何度も溜め息がこぼれた。

物語全体に死の空気が漂っていて哀しいはずなのに読後は静謐で温かな余韻が残る。




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