わたしは栞を挟まない|よつばの読書ブログ

路上のX/桐野 夏生【レビュー】

★★★★

読み終えた瞬間、大きな溜息が出た。
少女達の行く末と物語のラストが気になって一気読みでした。

真由、リオナ、ミト、三人の女子高生が経験する悲惨な出来事。
親のエゴがきっかけで味わう必要がない思いをする事になった少女達があまりにも不憫で可哀想過ぎた。

自暴自棄になったり嘘を繰り返したりしながら、それでも生きて行く為に身体を張って必死の思いで突き進む少女達。

3人しか仲間がいない状況でも時にぶつかり合い罵り合う少女達の人物描写は秀逸。

息苦しく救いを求めながら読み続けた不穏な空気感漂う462ページだった。

ネグレクト、虐待、DV、レイプ、JKビジネスなど今時の世相が反映されていて救いようのない大人たちもたくさん登場します。

惹きつけられたのは、自分の生活とはかけ離れていながらも、きっと現実に存在しているリアルを感じたから。

桐野節が炸裂した読み応え十分な作品。




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