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悲鳴/櫛木 理宇【レビュー】

★★★★

櫛木理宇さんの新作は文庫書き下ろし作品。

閉塞感が強い田舎町で誘拐事件が発生、その11年後被害女性は解放されたが玄関先に白骨死体が届けられる。

ミステリとしても読み応えがあったが、昭和初期で時が止まったかのような村社会の描き方が秀逸。

令和の今、さすがにここまでではないにしろ、男尊女卑や長男優遇風習、女性蔑視が未だに根強く残っている地域もあるだろう。

文中に登場する「無知無学」の言葉が刺さる。

男達の愚かさは言わずもがなだが、それに付随する女達にも嫌悪感を催した。

行間から彼女の声にならない悲鳴が聴こえて来るようだ。




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