★★★★
寺地作品史上、最も不穏で読み進めるのが苦しかった。
行き場がないすべてのお母さんと子どもを守るための家『のばらのいえ』。
その閉ざされた空間で行われていた事を知ると怒りと嫌悪感で一杯になる。
母も子も救いを求め、この場所に辿り着いたはずだ。
愛と理想を掲げた夫婦が、守るべき子どもたちの人格を否定し搾取する。
この夫婦の行為は、自分たちの劣等感を補う為の代償行動としか思えない。
『のばらのいえ』どころか、逃げ場のない『いばらのもり』だ。
ヤングケアラーと貧困問題にメスを入れながら、シスターフッド小説としても読み応え十分。
はじめまして。
255文字で本の感想を書いています。
選書の参考になれば嬉しいです。
☆受賞歴☆
読書メーター×ダ・ヴィンチ 第5回 ベストレビュアー賞受賞 「僕が僕をやめる日」
応募数92件 HN・よつば
松村 涼哉『僕が僕をやめる日』 第5回 レビュアー大賞 2020年 課題図書 – 読書メーター (bookmeter.com)
読書メーター×ダ・ヴィンチ 第6回 優秀レビュアー賞受賞 「かがみの孤城」
応募数599件 HN・よつば
辻村 深月『かがみの孤城』 第6回レビュアー大賞 2021年 課題図書 – 読書メーター (bookmeter.com)
読書メーター×ダ・ヴィンチ 第7回 ベストレビュアー賞受賞 「逆ソクラテス」
応募数748件 HN・よつば
伊坂 幸太郎『逆ソクラテス』 第7回レビュアー大賞 2023年 課題図書 – 読書メーター (bookmeter.com)
ブクログ BEST USER AWARD 2023 Silver賞 HN・よつば