★★★
長い航海を経てようやく港に辿り着いたような読後。
序章で描かれる不穏極まりない出来事は1974年(昭和49年)7月7日に静岡県で実際起きた七夕豪雨を連想し一気に物語に惹き込まれる。
ところが物語が進んでも序章との繋がりが見えて来ず描かれるのは児童虐待と養子縁組、天体観測といった災害とは無関係とも思える内容だ。
一体どこでどう繋がるのか首を傾げていると終盤で知らされるのは七夕の悲劇と呼ぶにはあまりにも残酷な真実。
人の悪意によって人生が翻弄されるなんてやり切れない。
失った二十年分まで幸福になって欲しいと星に願う。
はじめまして。
255文字で本の感想を書いています。
選書の参考になれば嬉しいです。
☆受賞歴☆
読書メーター×ダ・ヴィンチ 第5回 ベストレビュアー賞受賞 「僕が僕をやめる日」
応募数92件 HN・よつば
松村 涼哉『僕が僕をやめる日』 第5回 レビュアー大賞 2020年 課題図書 – 読書メーター (bookmeter.com)
読書メーター×ダ・ヴィンチ 第6回 優秀レビュアー賞受賞 「かがみの孤城」
応募数599件 HN・よつば
辻村 深月『かがみの孤城』 第6回レビュアー大賞 2021年 課題図書 – 読書メーター (bookmeter.com)
読書メーター×ダ・ヴィンチ 第7回 ベストレビュアー賞受賞 「逆ソクラテス」
応募数748件 HN・よつば
伊坂 幸太郎『逆ソクラテス』 第7回レビュアー大賞 2023年 課題図書 – 読書メーター (bookmeter.com)
ブクログ BEST USER AWARD 2023 Silver賞 HN・よつば