★★★★
珍妙なタイトルだが内容はゴリゴリの社会派小説。
主人公はカメルーンで生まれたニシローランドゴリラのローズ。
研究所職員と母親から言葉を学び、手話を使って人間との会話も可能だ。
職員の提案でアメリカの動物園に渡ったローズを待っていたのは、夫となったゴリラの銃殺事件。
なんと言っても本作の魅力はローズのチャーミングさ。
フレンドリーで優しい性格、ユーモアセンスもあり、何より素晴らしいのは一時の感情に流されない公平さ。
前代未聞のゴリラ裁判、ローズの姿を通して、人間の驕りに気付かされる。
第64回メフィスト賞満場一致に納得。

幼少期から本が大好きなよつばと申します。私と同じく本が好きな方々の参考になれば幸いです。SNSもフォローしてくださると嬉しいです。