★★★★
欠かさず読んでいる唯川恵さんの長編小説です。
今回の作品は実の姉弟の様に身を寄せ合って生きて来た施設育ちの芳子と周也この2人が軸となり物語が進んで行きます。
どこまで逃げれば居場所が見つかるのだろう…
血の繋がりよりも深い絆で結ばれた2人の行方が気になって、本を閉じる事が出来ませんでした。
いつもの唯川さんが書かれる様な恋愛の要素は少ないですが人間味が溢れる濃いお話に仕上がっています。
第一章~第八章、そして最終章に至るまでに所々に隠された伏線がラストに至るまでに綺麗に繋がって作者の力量が感じられます。
芳子と周也は当然ですがその他の登場人物カオル、ハオ
本当に憎くなる多崎、堂島の人物描写は見事でかなり感情移入して読めました。
悲しいラストですが、その後の芳子と周也が幸せになってくれたらと心から願わずにはいられない切ない作品でした。
唯川さんの新しい引き出しを見た様な気がして満足な1冊です。
はじめまして。
255文字で本の感想を書いています。
選書の参考になれば嬉しいです。
☆受賞歴☆
読書メーター×ダ・ヴィンチ 第5回 ベストレビュアー賞受賞 「僕が僕をやめる日」HN・よつば
松村 涼哉『僕が僕をやめる日』 第5回 レビュアー大賞 2020年 課題図書 – 読書メーター (bookmeter.com)
読書メーター×ダ・ヴィンチ 第6回 優秀レビュアー賞受賞 「かがみの孤城」HN・よつば
辻村 深月『かがみの孤城』 第6回レビュアー大賞 2021年 課題図書 – 読書メーター (bookmeter.com)
読書メーター×ダ・ヴィンチ 第7回 ベストレビュアー賞受賞 「逆ソクラテス」HN・よつば
伊坂 幸太郎『逆ソクラテス』 第7回レビュアー大賞 2023年 課題図書 – 読書メーター (bookmeter.com)
ブクログ BEST USER AWARD 2023 Silver賞 HN・よつば