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十字架/重松 清【レビュー】

★★★★★

中学二年でいじめを苦に自殺した「フジシュン」こと藤井俊介、
遺書には四人の同級生の名前が書かれていた。

その内の二人はイジメていた中心人物

一人は片思いしていた彼女、そしてもう一人がこの本の主人公となる「ユウ」こと真田裕、「親友」とは認識していないのに関わらず遺書には親友と書かれてしまう…

「イジメ」がテーマだけあって終始丁寧な文章で綴られていました。
ノンフィクションかと思えるくらい人物描写が巧みで脳内映像と共に感情移入しながら最後まで一気に読めます。

イジメに遭った本人、イジメていた仲間、見て見ぬ振りをした同級生達、彼女、親友と記されたユウ、残された家族、それぞれの思いが正直な感情と共に切なく伝わって来ます。

特に母親と「あのひと」と表現される父親の苦悩は痛いほど伝わって来て胸が痛かったです。

いつの時代にもイジメは必ず存在していますが、基本根絶に向かう様に自分も含め大人も子供も心に優しさや正義を持って生きて行きたいと思いました。




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