★★★★
「二つ目の傷痕」「獣と生きる」「夜の影」「迷い子の足跡」「ほとりを離れる」
5話収録の連作短編集。
物語の主人公は警察専門のカウンセラー・高階唯子。
仕事内容は、事件の被害者やその家族のケアをすることだ。
殺人を犯した父を持ち、唯子自身が加害者家族でありながら、被害者の声に耳を傾け、その想いに触れていくという行為は、並大抵の覚悟では出来ないはずだ。
凄惨な事件の数々、被害者の苦悩や悲しみ、それらに対峙する姿は、自らを罰している様で辛くなる。
各話に秘められた予期せぬ真相に驚きながら、罪と罰について考えさせられる作品。

はじめまして。
255文字で本の感想を書いています。
選書の参考になれば嬉しいです。
☆受賞歴☆
読書メーター×ダ・ヴィンチ 第5回 ベストレビュアー賞受賞 「僕が僕をやめる日」
読書メーター×ダ・ヴィンチ 第6回 優秀レビュアー賞受賞 「かがみの孤城」
読書メーター×ダ・ヴィンチ 第7回 ベストレビュアー賞受賞 「逆ソクラテス」