わたしは栞を挟まない|よつばの読書ブログ

累々/松井 玲奈【レビュー】

★★★

「小夜」「パンちゃん」「ユイ」「ちぃ」「小夜」
5話収録の連作短編集。

デビュー作である前作『カモフラージュ』程の強いインパクトはないけれど、不穏さが漂いイヤミスの様にも感じた。

『累々』とは連なり続くさまを意味する。

本作の主人公・小夜はどこにでもいそうな23歳の女性。
様々な男達と関わり合う中で炙り出される強かさやエゴイズムな側面に人間の持つ多面性を色濃く感じる。

独立した短編の体を装いながら物語は展開するが途中で作者の企みに気付き、タイトルの意味が理解出来る。

ちょっと怖い、でも、どこかリアルにも思える恋愛小説。




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