★★★★
終始、ザワザワ。
不協和音が鳴り響く。
でもめっちゃ面白い。
登場人物を身近に感じ、すぐ傍で起こってもおかしくないリアルさを秘めている。
都内近郊に暮らす37歳の主婦・紗衣、その夫でSNS系が大嫌いな祐一、夫の愛人・夏希。
物語はこの三人を中心に展開して行くのだが、巷に溢れる不倫物とは一味違う。
不倫=ドロドロのイメージは微塵も感じず、当初、夏希に抱いていた怖さは読み進むに連れ、共感へと変化する面白さがある。
妻の不満、夫の不安、夏希の揺らぎ、どれも手に取る様に伝わる。
女の強かさと男の甘さを思い、見返したタイトルに嗤う。

幼少期から本が大好きなよつばと申します。私と同じく本が好きな方々の参考になれば幸いです。SNSもフォローしてくださると嬉しいです。