★★★★★
凄まじいの一言に尽きる。
史実を元にしたフィクション、651頁の長編だが文中から溢れ出る熱量は凄まじいものがあった。
明治・大正を駆け抜けた婦人解放運動家・伊藤野枝。
28歳という若さで殺害されるまでの彼女の濃密な生涯に圧倒される。
伊藤野枝と大杉栄、次々と二人に襲いかかる試練。
たった100年前の事だというのに、この時代の抑圧された社会と理不尽さにハラワタが煮えくり返る。
なんの権利があってここまで人を追い詰め弾圧するのか、悔しさと怒りで泣ける。
決して服従せず、自分の信念に基づいて行動する野枝に強く惹かれた。
傑作。

はじめまして。
255文字で本の感想を書いています。
選書の参考になれば嬉しいです。
☆受賞歴☆
読書メーター×ダ・ヴィンチ 第5回 ベストレビュアー賞受賞 「僕が僕をやめる日」
読書メーター×ダ・ヴィンチ 第6回 優秀レビュアー賞受賞 「かがみの孤城」
読書メーター×ダ・ヴィンチ 第7回 ベストレビュアー賞受賞 「逆ソクラテス」