★★★★
リアルな終活小説。
主人公は間もなく70歳を迎える一之瀬廉太郎。
二歳下の妻、杏子が末期癌で余命一年と宣告される所から物語が展開する。
時代が平成から令和になっても、廉太郎の様な男性はまだそこら中に存在する。
「仕事」を全て言い訳に、家事に育児に近所付き合い、その他数え上げればきりがない日常の諸々を妻1人に任せ、踏ん反り返っている。
そして口を開けばパワハラ発言。
我が家も御多分に洩れず。
杏子の人生を想うと泣けて来る。
救いは二人の娘達、美智子と恵子。
杏子の事を理解し廉太郎に刃向う姿は痛快ですらある。
後悔先に立たず。
世の男性にぜひ手に取って欲しい。

幼少期から本が大好きな四つ葉と申します。私と同じく本が好きな方々の参考になれば幸いです。SNSもフォローしてくださると嬉しいです。