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死にがいを求めて生きているの/朝井 リョウ【レビュー】

★★★★★

朝井 リョウさん初読み。

473ページ、存分に堪能出来る充実した読書時間だった。

自分の存在価値に異様に拘る堀北雄介のキャラが際立っている。

小学生時代からの我儘ぶり、運動会プログラムの中にある、棒倒しやピラミッドに掛ける自己中な意気込み、他人から注目されたい一心の性質は高校、大学へ行っても続いて行く。

正反対に思われる智也との歪な関係性を『海山伝説』と絡める事で深みのある物語になっている。

登場人物達の心理描写は秀逸。

植物状態のまま病院で眠る智也と献身的に見守る雄介の心の内側はホラーの様で不気味ささえ感じた。

秀作。




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