わたしは栞を挟まない|よつばの読書ブログ

私はあなたの記憶のなかに/角田 光代【レビュー】

★★★

角田さんの短編集

「父とガムと彼女」「猫男」「神さまのタクシー」「水曜日の恋人」
「空のクロール」「おかえりなさい」「地上発、宇宙経由」
「わたしはあなたの記憶のなかに」の計8篇が収録されています。

初出は一番古い作品で1997年、新しい物でも2008年なので
もう10年以上前の作品を集めた短編集になっています。

個々が独立した作品でテーマは「記憶」
テーマ自体、形がない物と言う事と、やはり古めかしい印象がある為
どの作品もぼんやりした感じを受けインパクトがありませんでした。

印象に残ったのはガムのパッケージやその香りを感じつつ
3人の関係性を想像しながら読んだ「父とガムと彼女」。

陰湿ないじめと報復を描いた「空のクロール」。

過去の記憶から現在の生活に思いを馳せた「おかえりなさい」。

凄く「記憶」に残る作品はなかったけれど、ふわりとした霞の様な作品集でした。




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