わたしは栞を挟まない|sayuriの読書ブログ

温泉小説/朝比奈 あすか【レビュー】

★★★★

「女友達の作り方」
「また会う日まで」
「おやつはいつだって」
「わたくしたちの境目は」
「五十年と一日」
「島と奇跡」
温泉に纏わる6話収録の短編集。

タイトルと装幀から、まったりホンワリした物語を想像すると良い意味で裏切られる。

朝比奈あすかさんのヒリつくような描写は健在。
随所に棘もあれば毒もある。

だがそれが物語のいいスパイスとなって、その後の解放感が半端ない。

人生に惑い苦味を抱えていた人達が温泉旅で身体と共に心までほぐれていく様子に心癒される。

どの短編も秀逸だが、最終話「島と奇跡」はタイトル通りその奇跡に感動した。




  • 人気のレビュー
  • 関連するレビュー

気軽にコメントどうぞ

*
*
* (公開されません)