★★
余命一年を宣告された79歳の利夫と、妻、二人の娘を中心に描かれた家族小説。
癌で逝った父親の事を思い出し切ない気持ちで読み進めた。
予想を遙かに超えるスピードで病状が悪化する利夫。
夫が存命中に独身の長女の花嫁姿を見せたい一心で娘に対し思いの丈をぶつける妻。
これだけ多様性が叫ばれている中、両親、親戚、長女の友人が一様に結婚に拘り、辛辣な言葉を投げかける場面にはうんざりした。
特に長女の友人・愛美の発言には、腸が煮えくり返る。
誰かを犠牲にする事で得られる幸福感など偽物だ。
家族が幸せである事こそが親の願いではないか。
はじめまして。
255文字で本の感想を書いています。
選書の参考になれば嬉しいです。
☆受賞歴☆
読書メーター×ダ・ヴィンチ 第5回 ベストレビュアー賞受賞 「僕が僕をやめる日」
読書メーター×ダ・ヴィンチ 第6回 優秀レビュアー賞受賞 「かがみの孤城」
読書メーター×ダ・ヴィンチ 第7回 ベストレビュアー賞受賞 「逆ソクラテス」
ブクログ BEST USER AWARD 2023 Silver賞