わたしは栞を挟まない|よつばの読書ブログ

花ざかりを待たず/乾 ルカ【レビュー】

★★

余命一年を宣告された79歳の利夫と、妻、二人の娘を中心に描かれた家族小説。
癌で逝った父親の事を思い出し切ない気持ちで読み進めた。

予想を遙かに超えるスピードで病状が悪化する利夫。
夫が存命中に独身の長女の花嫁姿を見せたい一心で娘に対し思いの丈をぶつける妻。

これだけ多様性が叫ばれている中、両親、親戚、長女の友人が一様に結婚に拘り、辛辣な言葉を投げかける場面にはうんざりした。
特に長女の友人・愛美の発言には、腸が煮えくり返る。

誰かを犠牲にする事で得られる幸福感など偽物だ。
家族が幸せである事こそが親の願いではないか。




  • 人気のレビュー
  • 関連するレビュー

気軽にコメントどうぞ

*
*
* (公開されません)