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うるうの朝顔/水庭 れん【レビュー】

★★★★

「チョコレートの種」
「ルビーの種」
「汐の種」
「いろみずの種」
「雨粒の種」
5話収録の連作短編集で、第17回小説現代長編新人賞受賞作品。

デビュー作とは思えないクオリティでとても良かった。

『うるうの朝顔』の種を蒔くと、現実とは1秒だけ違う過去を再体験し、心の不調和が直るという不思議な物語。

設定はファンタジーだが、描かれているのは現実の世界で思い悩む人々。

人の心に潜む悪意や、常識から逸脱した行動に目を背けたくなる場面もあるが、誰しもが陥りかねないズレの存在に気付かせてもくれる。

瑞々しい筆致で紡がれた再生の物語。




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