★★★
そこはかとない哀しみが漂う。
舞台は1994年。
主人公は雑誌記者の松田。
読者の投稿を元に心霊ネタを調査していく中で浮き彫りになっていったのは、殺害された一人の女性の存在。
だがどれだけ取材を重ねても誰も彼女の名前すら知らない。
笑い方も知らず、生ける屍のようだった彼女の真実の姿が見えて来ると切なさで胸が締め付けられる。
時代の理不尽に憤り、更に「あの子は、何のために生まれてきたんでしょう?」母親のこの言葉にも様々な想いが込み上げた。
怨み辛みが浄化され、踏切に佇む彼女に安らかな眠りが訪れる事を願わずにはいられない。
はじめまして。
255文字で本の感想を書いています。
選書の参考になれば嬉しいです。
☆受賞歴☆
読書メーター×ダ・ヴィンチ 第5回 ベストレビュアー賞受賞 「僕が僕をやめる日」
応募数92件 HN・よつば
松村 涼哉『僕が僕をやめる日』 第5回 レビュアー大賞 2020年 課題図書 – 読書メーター (bookmeter.com)
読書メーター×ダ・ヴィンチ 第6回 優秀レビュアー賞受賞 「かがみの孤城」
応募数599件 HN・よつば
辻村 深月『かがみの孤城』 第6回レビュアー大賞 2021年 課題図書 – 読書メーター (bookmeter.com)
読書メーター×ダ・ヴィンチ 第7回 ベストレビュアー賞受賞 「逆ソクラテス」
応募数748件 HN・よつば
伊坂 幸太郎『逆ソクラテス』 第7回レビュアー大賞 2023年 課題図書 – 読書メーター (bookmeter.com)
ブクログ BEST USER AWARD 2023 Silver賞 HN・よつば