★★★★
何の変哲もない、いつも通りの日常から急転直下。
主人公・桐谷雅樹は身に覚えのない強盗殺人容疑で逮捕されてしまう。
防犯カメラに映っていたのは紛れもない自分の顔。
更に犯行現場に残されていたDNAまで一致。
冒頭から心鷲掴み。
作者の狙い通り、犯人は簡単に予想出来てしまう。
だが、そこからの予測不可能なシナリオから目が離せない。
荒唐無稽でリアリティには欠けるが、細やかに張り巡らされた伏線と回収はお見事。
国際養子縁組、人種差別、産後鬱など社会問題をしっかり絡めながら、終盤の二転三転も楽しめる。
清涼感に溢れた心地良い読後。

幼少期から本が大好きなよつばと申します。私と同じく本が好きな方々の参考になれば幸いです。SNSもフォローしてくださると嬉しいです。