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声の在りか/寺地 はるな【レビュー】

★★★★

私はいつから声を出す事を諦めてしまったんだろう。

目に見えない世間、表面だけを取り繕った集団に恐れをなし、言いたい事、伝えたい想いを何度も飲み込み、それが正解だと自分自身に言い聞かせて来た。
主人公・希和の生き辛さが自分と重なり気が付いたら泣いていた。

明らかに間違っている事に対して、それはおかしいと言えない自分に苛立つ。
勇気のなさだったり、事を荒立てたくないという思いだったり言い訳ばかり。

私も私の声を取り戻したい。
自分の気持ちに正直に生きて行きたい。

希和のささやかな勇気が自分の心に同化し、沁み込み希望となる。




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