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海蝶/吉川 英梨【レビュー】

★★★★

タイトルの「海蝶」は男性の潜水士を「海猿」と呼ぶ事に対し、この物語の主人公、女性初の潜水士・忍海愛に用いられた総称。

父の正義、兄の仁と合わせ『正義仁愛』
東日本大震災で波に攫われた母の教え『海上の治安維持における正義の信念と人命保護に対する仁愛の情』が作品に見事に表現されている。

東日本大震災の章は嫌でも3.11の映像が脳内を過り胸が詰まる。

喪失感、後悔、悲しみ、終盤の海中のシーンではあの日から決して消える事がなかった彼らの感情を想い切なさで胸が一杯になる。

潜水士として逞しく成長した愛は間違いなく母の誇りだ。




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