わたしは栞を挟まない|よつばの読書ブログ

ほどなく、お別れです それぞれの灯火/長月 天音【レビュー】

★★★★

「揺蕩う心」「遠景」「海鳥の棲家」「それぞれの灯火」
4話収録の連作短編集。

舞台は東京スカイツリーの近くにある葬儀場『坂東会館』

交通事故で亡くなった17歳の少年、90歳で自殺したお婆さん、癌闘病中に急死した父親、電車に轢かれ亡くなった20代の女性、全てのエピソードが辛く涙が渇く暇がなかった。

この葬儀場で働く主人公の美空やスタッフ達の優しさに胸が熱くなる。

そして本作を読むと今の日常がかけがえのない物だと改めて気付かされる。

最近読んだ作品の中で一番苦しく涙が溢れ続けたが、読後は心が浄化される様な感覚を味わえた。




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