★★★
第43回すばる文学賞受賞作品。
主人公は間橋薫・30歳。
恋人の田中郁也と半同棲のような生活を送っているが21歳で卵巣の病気を患ってから性交渉に抵抗を持っている。
そんな薫の前に現れたミナシロユキ。
「お金を貰いSEXしていた郁也に愛情はないがミスで妊娠したので子供を貰って欲しい」
ミナシロの無機質で感情を伴わない発言に機械的な物を感じ恐ろしくなる。
「子供を1度でも産めばクリア」の言葉にも人としての感情の欠落を感じる。
この出来事を通し主人公・薫の心の揺れと逡巡が繊細に描かれている。
読後は人間の不完全さを痛感する。

はじめまして。
255文字で本の感想を書いています。
選書の参考になれば嬉しいです。
☆受賞歴☆
読書メーター×ダ・ヴィンチ 第5回 ベストレビュアー賞受賞 「僕が僕をやめる日」
読書メーター×ダ・ヴィンチ 第6回 優秀レビュアー賞受賞 「かがみの孤城」
読書メーター×ダ・ヴィンチ 第7回 ベストレビュアー賞受賞 「逆ソクラテス」