★★★★
「刹那」
淡々と綴られた189頁の短い物語を読みながら何度もこの言葉が脳裏を過った。
詐欺の罪で入った刑務所で30歳を迎えた山田は、出所後に海の近くの塩辛工場で働き始める。
風景描写から私が生まれ育った富山県の情景が浮かび、更に刹那の思いが強くなる。
生に対して消極的、いや、死ぬ事に対して何の躊躇いもなさそうに思えた山田が住み始めた古びた木造アパート。
そこで出会った大家と住人達によって少しづつ心に変化が生じる。
生きる事に不器用な人達の繊細な心情や言葉の端々に胸が切なくなる。
要領が悪くても良い。
存在意義は必ずある。
はじめまして。
255文字で本の感想を書いています。
選書の参考になれば嬉しいです。
☆受賞歴☆
読書メーター×ダ・ヴィンチ 第5回 ベストレビュアー賞受賞 「僕が僕をやめる日」
応募数92件 HN・よつば
松村 涼哉『僕が僕をやめる日』 第5回 レビュアー大賞 2020年 課題図書 – 読書メーター (bookmeter.com)
読書メーター×ダ・ヴィンチ 第6回 優秀レビュアー賞受賞 「かがみの孤城」
応募数599件 HN・よつば
辻村 深月『かがみの孤城』 第6回レビュアー大賞 2021年 課題図書 – 読書メーター (bookmeter.com)
読書メーター×ダ・ヴィンチ 第7回 ベストレビュアー賞受賞 「逆ソクラテス」
応募数748件 HN・よつば
伊坂 幸太郎『逆ソクラテス』 第7回レビュアー大賞 2023年 課題図書 – 読書メーター (bookmeter.com)
ブクログ BEST USER AWARD 2023 Silver賞 HN・よつば