わたしは栞を挟まない|よつばの読書ブログ

誰かが見ている/宮西 真冬【レビュー】

★★★★★

第52回メフィスト賞受賞作品

先が気になり一気読みでした。
「隣の芝生は青い」と言いますが、この物語では4人の女性達が
自分にはない物をひたすら追い、自ら自分自身を追い詰めて行く
心理サスペンスになっています。

我が子を愛せず、ブログで虚偽の「幸せな育児生活」を書くことが止められない千夏子。
子供が欲しいが年下の夫とのセックスレスに悩む結子。
職場のストレスで過食に走り、恋人との結婚だけに救いを求める保育士の春花。
容姿端麗で優しい夫と娘に恵まれ一見すると円満な家庭を築いているように見える柚季。

どこにも持って行き場がなくもがき苦しむ女性達の表と裏の顔がリアルに描かれていて胸が苦しくなります。
共感出来る面も出来ない面もあるけれど「助けて」の一言が言えない女性達の苦しみは痛いくらい刺さって来ました。

イヤミスの様でもありながら心が揺さぶられる良い作品でした。




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