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ふたりの窓の外/深沢 仁【レビュー】

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ふたりの窓の外 [ 深沢 仁 ]
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★★★★

しみじみと良かった。

恋愛小説と呼ぶにはあまりにも静かで淡い哀しみが頁の隅々にまで滲む物語だった。

恋人と父親をそれぞれ失った紗奈と鳴宮は、火葬場という非日常の縁に導かれ年に四度だけ会う約束を結ぶ。

春の宿、夏の墓参、秋のドライブ、冬の宿。

触れ合いそうで触れ合わない距離が、かえって彼らの孤独を照らし出し、その静謐な気配に心がそっと吸い寄せられた。

四季折々の風景は柔らかく二人の言葉を受け止め読後は胸の奥に密やかな余韻が長く残る。

互いの欠けた部分を優しく補い合い、静かに再生へと向かう大人のためのしなやかな恋愛小説。




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