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ひきこもり家族/染井 為人【レビュー】

★★★★

『正体』でボロ泣きさせられた染井為人さんの新作は、ひきこもりの男女五人の物語。

今回はエピローグで温かい涙が零れた。

物語は、長年ひきこもり状態だった19歳の平本僚太と、44歳の下田大知が自立支援センターの職員によって熊本の研修施設に連れ去られる場面から始まる。

支援とは名ばかりの監獄のような施設。
過酷な生活を強いられる彼等の姿が痛々しく、団体への嫌悪感が膨れ上がっていった。

子を想う親の気持ちと、親を想う子の気持ちに胸が締め付けられる。

圧巻のリーダビリティで、脳内では絶えず彼等の映像が流れた。

一気読みの面白さ。




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