★★★★
小野寺ワールド全開。
78歳で一人暮らしをしている父・敏男の異変に気付き、故郷の館山にある実家に帰郷した40歳の富生が主人公。
小野寺さんの淡々とした文章が、父と息子の微妙な距離感とマッチしてとても良かった。
車のバンパーの凹み、ぶつけた事を忘れている父。
冒頭から不穏な空気が流れ、その嫌な予感は少しずつ増していく。
関係性が良かったとは言えない若き日の穴を埋めるように心の距離が近づいていく二人の姿に心が温まる。
読みながら亡き父を思い出し、私ももっと話をしておけば良かったと涙が込み上げた。
切なくて愛おしい家族小説。

はじめまして。
255文字で本の感想を書いています。
選書の参考になれば嬉しいです。
☆☆☆☆☆受賞歴☆☆☆☆☆
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